☆コロナ対策の交代勤務制と賃金☆

居宅支援事業所で働くケアマネージャーから相談があった。

コロナ対策として人員を2班に分けて2交替の勤務体制をとることになった。

公休ではない非出勤日の賃金の取扱いについての不満である。

事業者は非出勤日には休業手当として通常賃金の6割相当額を支払うという。

 

しかし、ケアマネとしては、担当する利用者の人数は変わらないことから総体としての業務量は減少するわけではないのに、総体としての賃金が減額になることに納得できない。

同じ業務量を半分になった出勤日数でこなすため、出勤日の労働密度が倍増している。

さらに、非出勤日であっても、担当する利用者にかかる連絡がある。

 

法的にいえば、非出勤日に在宅勤務として勤務の実態があれば、10割の賃金を支うべきである。

非出勤日は全くの自由利用であり使用者の指揮命令の実態がなければ、休業手当として平均賃金の6割以上を支払えば、労働基準法26条はクリアーすることになる。

 

件相談者は出勤日にサービス残業が発生していることも不満であった。コロナ騒ぎのどさくさに紛れてのサービス残業は要注意だ。(直井)

 

 

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☆サービス残業代は賞与で精算?☆

日常的に発生しているサービス残業について社長に苦情をいったところ、今回の冬の賞与(2か月分)の支給に際し社長が賞与にはこれまでのサービス残業代が含まれていると述べた。

これに対して残業代の具体的な内訳を示した明細を要求したが応じないとの相談があった。

 

年2回の賞与に未払い残業代が含まれているから、未払いの残業代はないという主張は固定残業代の一変形ともいえる。

何時間分として何円の固定手当が支払われるなど内訳の説明のない固定残業代は違法である。

 

そもそも賞与と残業代とは同じ賃金といっても性質が異なる。

賞与に含めれているという残業代の内訳の説明を求めるのは労働者の当然の権利であり、使用者はこれに応じる義務がある。

 

この会社の給与の支払い方法は、月給制で毎月20日締め当月25日払いと就業規則に規定がある。

賃金については、労基法24条が、①通貨で、②直接労働者に、③全額を、④毎月1回以上、⑤一定の期日を定めて支払わなければならないと定めている。

賃金支払いの5原則だ。

 

賃金支払いの原則から、残業代は当然毎月25日に他の給与と一緒に支払う義務が使用者にある。

この点からも会社の対応は違法である。

いずれにしても、この社長の主張は無茶苦茶だと言わざるを得ない。(直井)

 

 

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