カテゴリ:年次有給休暇



2021/08/20
週3日ないし4日のシフト制で働くアルバイトが有給休暇の申請をしたところ、使用者の代理人弁護士からシフト制のアルバイトには有給休暇は認められない、との通知があったとの相談があった。 会社側弁護士の主張は、労働者保護法である労基法の趣旨を全く無視したご都合主義の解釈であるといわざるを得ない。
2020/02/23
労働基準法の改正(労基法39条7項8項新設。2019年4月1日施行)により、年次有給休暇のうち5日間については、使用者に積極的な付与義務(時季指定義務)が課された。 さらに従業員ごとに年休の年休の取得日、取得日数などを記載した年次有給休暇管理簿の作成・保管も義務づけられた(施行規則24条の7)。労基法改正は年休取得手続きのなかの一部に使用者の積極的行為(時季指定行為)を組み込んでそれを使用者に義務づけるものだ。 新制度は3月末日で施行後1年が経過することになる。 年休の取得率はどの程度上昇したのか、はたまた上昇しなかったのか、政府の報告を注視したい。
2020/01/13
入院中の高齢の親の見舞いを理由として年次有給休暇を申請したところ、親の診断書の提出を要求されたが診断書を提出する義務はあるのかとの相談があった。 労基法39条の定める年次有休休暇の使途は原則制限はなく、どのように利用するかは労働者の自由です。 年休自由利用の原則といいます。
2019/11/29
そもそも、有給休暇は「勤務を要する日」に有給で休めることを保障する休暇制度である。 有給休暇の趣旨は、労働者の心身のリフレッシュを図ることにある。 シフト制の場合、シフト決定後に「勤務を要する日」と指定された日に有給休暇の請求をすることは当然許される。 この会社の場合は、シフト調整時に所定労働日の一部を有給休暇として申請することも認めていなかったようである。 有給休暇をとることを前提に必要な人員を確保することは使用者の責任です。 労基法の有給休暇に関する定めは強行法規であるので、有給請求権を事前に放棄する契約は無効です。 また、労働者の請求(時季指定)による有給休暇の取得が進まないことから、労働基準法が改正されて、2019年4月からは、年10日以上有休が付与される労働者に対しては企業は5日間の有休を指定して休ませることが義務づけられた(39条7項)。 有給休暇の取得は労働者の権利であるだけでなく、使用者の義務でもあるのです。
2018/01/04
 シフト制で働く労働者が辞める1か月以上前に退職を申し出て、これまでとれずに貯まっていた年次有給休暇を一挙に消化しようとした。そのように申し出たら、その日以降、シフトの指定を外され有給休暇の消化ができないままに退職日に至ってしまった労働者からの相談があった。  シフト制で働く労働者であっても、当然に年次有給休暇は発生する。所定労働日数が週5日以上(または、所定労働時間が週30時間以上)ならば通常の労働者と同じ日数の年次有給休暇がとれる。