2020/07/18
休業要請対象業種ではないが、コロナ禍のなか4月から上司の休業指示を受け、緊急事態宣言が解除された後も休業指示が続いている。労基法の定める平均賃金の6割の休業手当は支払われているが、これでは生活ができないので困っているとの相談があった。
相談者が労基法上の6割ではなく民法上の10割を求めて裁判を提起する場合、当該休業にかかる使用者の帰責事由(故意、過失または信義則上それと同視すべき事由)の存否が争点となる。
2020/06/06
休業手当のみの給与明細をみて愕然としたとの相談があった。
休業手当は賃金の6割と聞いていたので、4割の減額は覚悟はしていた。
しかし、振り込まれた額は予想を遙かに下回った額だった。
2020/05/30
小さなバーの雇われママから相談があった。
現在、コロナ禍のなかオーナーの指示で4月以来休業中である。
ママの相談は自分は休業下でどのような法的な保護を受けられるのかということであった。
事業主は、ママは個人事業主だから労働基準法の定める休業手当の対象とはならないし、休業手当を払うつもりはないという。
2020/04/25
居宅支援事業所で働くケアマネージャーから相談があった。
コロナ対策として人員を2班に分けて2交替の勤務体制をとることになった。
公休ではない非出勤日の賃金の取扱いについての不満である。
事業者は非出勤日には休業手当として通常賃金の6割相当額を支払うという。
しかし、ケアマネとしては、担当する利用者の人数は変わらないことから総体としての業務量は減少するわけではないのに、総体としての賃金が減額になることに納得できない。
2020/04/18
売店の販売員として働いていたところ、顧客対応上のトラブルから3か月間給与1割減の減給処分とともに謹慎として自宅待機を命じられたとの相談があった。
相談者は自分にも非のあることから減給処分は受け入れるつもりである。
問題は自宅待機である。
使用者は「自宅待機」期間中の賃金を支払うつもりはないようである。
使用者のいう謹慎としての「自宅待機」の意味は分かりにくい。
賃金が支払われないことからすると懲戒処分のひとつとしての出勤停止処分とも解される。
この場合、減給処分との併科ということになる。
本件についていえば、売店再開までという不定期の出勤停止処分が従業員の立場を著しく不安定にするものであることから、「処分の相当性」の要件をクリアーすることは困難である。
他方、自宅待機命令が懲戒処分としての出勤停止ではなく、コロナ騒ぎの影響で販売が減るなどの事情からの休業だと解する余地もある。
2019/11/09
労働基準法26条は、「使用者の責めに帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならない。」と定める。
確かに6割の休業手当てを支払えば、刑罰の制裁のある労基法違反の責任は免れることはできる。
しかし、労基法上の責任と民事上の責任とは別の話しである。
使用者の責めに帰すべき事由によって労働者が労務を提供することができなくなったとき、労働者は当該労務提供の反対給付である賃金請求権を失うわけではない(民法536条2項)。
すなわち、労働者は、このような自宅待機期間中、6割ではなく10割の賃金を請求することができる。
2018/07/01
出社に及ばないとしてシフトを組まないのは会社の責任であり、シフトがないことを理由として賃金の支払いを免れることは許されない。
会社側の都合で労務の受領が拒まれているのだから、労働者は反対給付としての賃金を受ける権利は失われない(民法536条2項)。
正社員である限りシフト制であっても、月何日出勤するなど所定労働日数、所定労働時間の定めがあるはずである。
シフトが組まれていない場合でも、所定労働日数、所定労働時間に基づいて賃金請求権が発生することになる。
なお、本件では休業手当ての支払い義務も発生する。
休業手当ての支払いは、平均賃金の6割を罰則の強制をもって使用者に支払わせる労基法上の義務である。