カテゴリ:コロナ



2020/10/11
現在、コロナ禍で在宅勤務中の方から相談があった。 会社からオフィス勤務か在宅勤務かを選択し、新たな労働条件への同意書に署名するように求められた。 在宅勤務を希望する場合は賃金が1割ほど減額する。 通勤の煩わしさやコロナの感染リスクを考えるとオフィス勤務には戻りたくない、とは言っても、在宅勤務で賃金減額は困る。 「新しい生活様式」(在宅勤務)が賃金減額とセットになっている。 何か変ではないかとの相談であった。
2020/08/29
雇用調整助成金の支給申請について、通常は、判定対象期間の末日(賃金締切日)の翌日から2か月以内に支給申請を行う必要があるが、判定基礎期間の初日(賃金締切日)が6月30日以前の休業に係るものについては、9月末日までに延長されることが厚生労働省より8月24日に公表された。 4月分と5月分の従来の申請期限8月31日が9月30日まで延長されたことになる。 いままで、忙しい、手続が面倒だと敬遠していた使用者も少なくないと思われる。 折角、申請期限が延長されたのだから、使用者が従業員のためにも積極的にこの制度を利用することを期待したい。
2020/08/22
コロナ禍における労働相談は、当初の休業手当問題から解雇問題へとその内容が変化している。 企業が先の見通しのつかないコロナ不況に我慢しきれず、従業員の雇用に手をつけはじめたからと思われる。 従業員の非違行為や能力不足を理由とするのではなく、経営環境の悪化など経営上の理由による解雇は整理解雇といわれる。 このコロナ特例の雇用調整助成金を積極的に活用すれば会社の経費負担がほとんどゼロの状態で雇用を維持できるにもかかわらず、手続きが面倒だとかの理由で、それをしないでの解雇は「解雇回避努力義務」に違反するといわざるを得ない。
2020/08/01
大都市圏を中心としたコロナの感染拡大が止まらない。 首都圏の幼稚園に勤務する女性から夏の恒例の行事である2泊3日の研修を兼ねた高原キャンプに参加したくないとの相談を受けた。 コロナ感染が怖いと感じる程度には個人差がある。 当該従業員が本当に怖いと感じている以上、使用は一定の配慮をすべきだ。
2020/07/18
休業要請対象業種ではないが、コロナ禍のなか4月から上司の休業指示を受け、緊急事態宣言が解除された後も休業指示が続いている。労基法の定める平均賃金の6割の休業手当は支払われているが、これでは生活ができないので困っているとの相談があった。 相談者が労基法上の6割ではなく民法上の10割を求めて裁判を提起する場合、当該休業にかかる使用者の帰責事由(故意、過失または信義則上それと同視すべき事由)の存否が争点となる。
2020/07/11
コロナ休業を指示されたにもかかわらず、休業手当が支払われない中小企業の労働者向けの給付金制度が7月10日から始まった。 名称は「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」だ。 労働者による直接申請のほか、企業がまとめて申し込むこともできる。 労働者が直接申請できる休業給付金とはいうものの、適切な情報収集には使用者の協力が不可欠である。 使用者の協力義務を明確にした上で、使用者の協力を得られなかった場合、行政が使用者へ強力な指導する運用が望まれる。
2020/07/04
雇用調整助成金の利用を検討もしないでなされた整理解雇は労働契約法16条(「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして無効である。」)の規定により無効と解される。 コロナ禍のなか安易に整理解雇を実施することはコロナ便乗解雇であり許されない。
2020/06/27
コロナ禍のなか、Zoom会議はテレワークの手段として急速に普及しつつある。 複数人が一同に集まることなく、パソコン画面を通じて会して、各人が意見を出し合い、情報を共有することができる便利な手段である。 確かに便利な手段とは思うが、団体交渉の手段として利用することには躊躇を感じる。 とりわけ初対面同士の話し合いには不向きだ。 対面での話し合いが生み出すものに信頼関係の醸成がある。 また、対面ならば一方の発言を契機に解決へのアイデアが広がる可能性もある。 オンラインでの話し合いは、双方が基本的な立場を主張し合う形式的な議論に陥りがちである。 団体交渉は参加各人が意見を述べそれを集約するためのものではなく、立場の異なる者の間の譲歩を前提とした話し合いである。 団体交渉は、双方が譲歩を重ねつつ合意を達成することを目標とするものである。 歩み寄りのための双方の譲歩を引き出すには、対面での接触により信頼関係を醸造することが重要である。 Zoom会議には不向きだと考える。
2020/06/20
新型コロナ対応休業支援金(以下「休業支援金」という。)は、6月12日に成立した雇用保険法の臨時特例法によって創設された、休業させられた労働者が直接国に申請できる給付金制度だ。 申請には、休業日数や、休業前の賃金額を証明するための資料の提出が必要となる。 これらの資料は通常企業に作成・保存義務が課されている。 日頃から税理士・社会保険労務士などの専門家と接する機会の多い企業経営者と違って、労働者には役所への手続に不慣れな者が多い。 労働者を申請者とする給付金制度においては、労働者の申請手続きを積極的にサポートする制度運用が望まれる。
2020/06/13
楽器大手ヤマハの子会社が展開する「ヤマハ英語教室」の講師でつくるヤマハ英語講師ユニオンは、会社側が、個人事業主扱いにしていた講師との委任契約を見直し、直接雇用する方針を組合に提示したと発表した(20年6月8日「読売新聞オンライン」ほか)。 本件の特徴は、委任契約という働き方の形式に疑問をもった講師が仲間を集め労働組合を結成して直接雇用化を求めての1年にわたる交渉の結果であることにある。

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