2か月間の有期契約で働いていた派遣社員から相談があった。
4月1日入社後2回更新されたが、3回目の契約期間満了日(9月末日)の直前に勤務成績不良のため更新しないと通告された。
2回目の更新時に交付された更新契約書(労働条件通知書)には「更新あり」の記載があったこと及び勤務成績不良の説明に納得できないことから、相談者は弁護士に相談したところ、弁護士は、雇用期間がいまだ1年未満だから、争っても無駄だといわれたとのことだ。
弁護士は、更新拒否の予告義務の発生基準と更新拒否の正当性の判断基準とを混同していると思われる。
すなわち、使用者は、有期労働契約が3回以上更新されているか、1年を超えて雇用されている労働者にかかる有期労働契約を更新しない場合には、契約の期間が満了する30日前までに、その予告をする義務がある(平成15年厚労省告示357号「有期労働契約の締結、更新及び雇い止めに関する基準」)。
他方、労働契約法19条は、労働者が更新を期待することについて合理的な理由がある場合に使用者が当該労働者の更新の申込みを拒否することに対して、解雇制限法理に準ずる高いハードルをもうけている。
更新により長期間働くことを前提として契約したときなど更新を期待することに合理的な理由がある場合、納得できない更新拒否はたとえ雇用期間が短期間であっても争うことができる。
納得のできない更新拒否にあったら、泣き寝入りしないで異議を申し立てよう。(直井)
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