都内のある区に所在する保育園を退職した保育士からの相談があった。
この4月に採用され、5か月間勤務の後に職場の人間関係のストレスから退職したところ、保育園から無償で提供されていた借り上げ宿舎の家賃分として40万円(8万円×5月分)の支払いを求められた。
園の説明によると、保育士の宿舎借上げに対する区による助成を前提として借り上げたマンションを保育士に無償で提供していたが、年度途中の退職者は区の助成の対象とはならないため、園が負担した家賃額の返還を求めるとのことである。
区に照会したところ、確かに年度ごとの補助事業であり、年度途中に退職した保育士にかかる借り上げ家賃は助成の対象とはならないこと、及び、園と保育士との家賃負担の紛争について区は関与しないとの回答があった。
この家賃助成制度は、近年問題となっている保育士不足対策としての厚生労働省の「保育士宿舎借り上げ支援事業」に基づくものである。
園は、行政による「保育士への家賃補助制度」を都合のいいように解釈して、年度途中退職者の足止め策として利用している。
相談者によれば、年度途中対象の場合は家賃を請求するとの説明を契約締結時に受けていないしそのような合意もしていないとのことだ。
この点は入社初日に説明済みとの園の主張と齟齬がある。
しかし、仮にそのような合意があったとしても、その合意自体が労働基準法16条が禁ずる「退職に対する損害賠償額の予定」の趣旨に反する違法なものである。
区の関知しないとの対応には疑問がある。(直井)
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わたなべ まこ (日曜日, 16 1月 2022 18:38)
保育士を「子どもの森」の錦糸町保育園で令和3年4から勤務し、体調と精神の不調で7月末で中途退職しました。9月に4か月分+8月分の社宅料全額約40万円を請求され手未払でいます。理由は、会社仕様の社宅契約書記入を求められたのがなんと6月であり、4月の入社時には本制度の中途退社時での変換システムの話は一切なかったし、労働条件も最悪で給料も毎月かなり天引きされており納得がいかなかったからです。さらに6月になって住民票の提出を求められましたが、委任者名を空白にして押印を押すように園長から指示され、江東区区役所に相談したところ、そのような書類には押印しないようにと指導を受けたので、11月まで未提出でした。10月に2回目の請求書が届いたので、転居先の住民票でよいというので委任者名未記入でも押印して提出しましたが、1月11日になって、今度は督促状が届き、1月19日締め切りで、未払いの場合は裁判だと書かれていました。ぜひご助言をよろしくお願いします。
直井 (日曜日, 16 1月 2022)
すいません。
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ご相談は、NPO法人労働相談カフェ東京のホームページに記載のある「電話相談」または「カフェでの対面相談」で対応しております。
わたなべ まこ (月曜日, 17 1月 2022 19:36)
失礼いたしました。すみませんでした。