パワハラを受けていると、美容師からの相談があった。
相談者は美容院でスタイリストをサポートするアシスタントとして働く女性である。
パワハラ行為者は男性のスタイリストである。
スタイリストがアシスタントにちくちく発するいやみをめぐり、言い争いに発展した。
スタイリスト曰く「アシスタント同士は勤務時間中話しをするな」、「自分は水すら夜まで飲めないぐらい働き詰めなんだから、その間、アシスタントも水を飲むな」「スタイリストの売上げからアシスタントの給料を払っているのだから」
これに対しアシスタントが反発して、「あなたにそこまでいわれる筋合いはない」と言い返したところ、スタイリストは「オーナーにいって辞めさせてやる。」と強く反撃した。
スタイリストは即座にオーナーに電話をし、あのアシスタントとは一緒に働けない、アシスタントを辞めさせろ、アシスタントが辞めないのならば俺が辞めるとすごんだ。
他方、アシスタントはオーナーにスタイリストの暴言を伝え指導を要請した。
俺をとるかアシスタントをとるか、とスタイリストにすごまれたオーナーはスタイリストの側についた。
オーナーはアシスタントのシフトをこれまでの週4日から週1日に減らしたうえでスタイリストの休みの日のみを勤務日に指定するようなシフトの変更をアシスタントに伝えた。
スタイリストは、オーナーから美容室の場所の一部を借りてその売り上げをオーナーと折半する契約を締結して働く個人事業主である。
アシスタントはオーナーと労働契約を結び時給1000円で働いているシフト勤務のパート従業員である。
立場の違う労働者同士の諍いといえる。
スタイリストは、収入が売上げに直結していることから、働き詰めの状態に追い込まれている。
スタイリストもオーナーとの関係では弱い立場の労働者といえる。
収入の保証のないなかで働き詰めを強いられる弱い立場の労働者がより弱い立場のパート労働者をいじめる構図がそこに見えてくる。
働き方の多様化による労働者の分断が生んだ闇である。(直井)
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H (土曜日, 27 4月 2024 01:33)
私も同じ目にあった