アスペルガーであることを会社に伝えたら内定が取り消されたという労働相談を受けた。
内定決定後の内定者合宿への参加など予定された手続きも済み後は入社予定日を待つだけの状態であった。
相談者は、日頃から気になっていたことがあったので、たまたま精神科を受診したところ、アスペルガー症候群であるとの診断を受けた。
会社の担当者にその旨を伝えたところ、担当者から口頭で内定を取り消す旨の通知を受けたとのことである。
アスペルガーを理由とする内定取消ならば、会社の対応は違法・不当であるといわざるを得ない。
相談者には内定取消の理由を文書でもらうようにアドバイスした。
でも、なぜ、間近に入社を控えた相談者が受診結果をそのまま会社に伝えたのか疑問を感じた。
普通は自分に不利になる可能性のある情報は隠したがるものである。
プライバシーにかかわることでもある。
その疑問を率直に相談者に尋ねたら、嘘をつくことが苦手なのだという回答であった。
「正直すぎること」は、アスペルガー症候群の特徴のひとつといわれる。
コミュニケーションにおいて「空気が読めない」という欠点であると評価されることが多い。
先日、国連で環境問題について演説したスウェーデンの16才の高校生であるグレタさんのことを思い出した。
彼女は自らがアスペルガー症候群であることを公表している。
グレタさんは、「アスペルガーは病気ではなく、ひとつの才能です。・・・アスペルガーでなかったら、こうして立ち上がることはなかったでしょう。」とfacebookで発言している。(直井)
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