転職のため前の会社を退職して次の会社へ就職するまで1か月間の空き期間がある。
そのため社会保険(健康保険)についても1か月間の空白期間が生じることになるが、この1か月の空白期間に何もしなかったらどのようなデメリットがあるかという電話相談があった。
よく知られているとおり、我が国では国民皆保険制度をとっている。したがって、職場の健康保険の資格がなくなった場合、原則として国民健康保険に加入することが義務づけられている。
しかし、加入手続きは、自動的にされるわけではない。
加入の届出は加入の資格が発生した日から14日以内に行うことが義務づけられている。
相談者の質問は加入の届け出をしないでそのままにしていたら、どのような不利益があるかいうことのようである。
当然ながら、その間、公的な医療保険制度の恩恵を受けられない。
相談者はこのことは承知のうえで質問している。
とりあえず病気になる可能性は少ないから、保険料を節約できるならばそれはそれで得だと考えているようだ。
しかし、加入手続きをほったらかしていても、強制加入制度であることから結局は遡って加入する取り扱いとなり、保険料も遡って徴収されることになる。
そして、保険料を遡って支払っても、加入手続きを怠っていた間に病気にかかり医療機関の受診をしたときの医療費は全額自己負担のままであるというサンクションが待っている。
もっとも、届け出が遅れた理由がやむを得ないと判断される場合は別である。
そもそも社会保険は共助の仕組みであり、個別的・個人的な損得の観点で考えるべきものではない。
相談者には速やかに加入手続きをすることを薦めた。(直井)
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