3月15日、コンビニ店主が求めるフランチャイズ(FC)本部と団体交渉する権利は認められないとの判断を示した中央労働委員会の命令が出された。
コンビニ店主が労働組合法上の労働者に当たらないとの判断が示された。
これを不服とする店主側は中労委命令の取消訴訟を提起するとのことなので、法的な意味での決着は裁判所に持ち越されることになる。
新聞報道(3月16日付「朝日新聞」)によると、ファミマは「今後も加盟者(コンビニ店主)一人一人とのコミュニケーションを大切にしていく」とのコメントを出した。
経済的強者であるコンビニ本部の本音が透けて見えるコメントである。
一人一人とのコミュニケーションは大切にするが、団体交渉など集団とのコミュニケーションは大切にしないということのようだ。
交渉相手をバラバラに一人一人にしておけば、いままでどおり、経済的強者である本部は自己に有利な条件を店主側に押しつけることが可能となる。
労働組合法は一人一人では無力な労働者が経済的強者であある使用者と集団として対峙できる仕組みを作ることで労働者の福祉を実現することを目指した法律である。
純法的観点からは、本件はコンビニ店主が労組法上の労働者に当たるか否かについての労働組合法の解釈を巡る争いである。
しかし、社会的に集団的な枠組みが求められる関係は厳として存在する。
今、集団的な枠組みの再認識が求められている。(直井)
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