6か月の期間で働く契約社員から相談があった。
ネット情報などによると、退職するには2週間前にその旨を会社に伝えればよいと聞いているが、そのとおりか。
上司のパワハラ的言動もあることから、転職活動中でよい条件の転職先が見つかり次第、期間満了を待たずに退職したいとのことであった。
2週間云々は、民法627条に基づくものであり、期間の定めのない雇用契約である正社員に適用がある規定だ。
残念ながら雇用期間の定めのある契約社員には適用がない。
有期雇用契約に基づく契約社員に適用のある民法628条は、期間途中の解約の申出には「やむを得ない事由」を要求している。
労働条件が初めの約束とは違うとか、長時間労働で体調を壊しそうだとかの事情がこれにあたる。
より条件のよい会社を見つけたので転職したいとの理由は、「やむを得ない事由」には当たらないが、上司のパワハラはこれにあたると考えられる。
しかし、いずれにしても労働者は使用者の奴隷ではないのだから、働くことを強制されことはない。
仮に、「やむを得ない事由」が認められなくても、突然辞めることによる損害賠償を請求されるリスクを負うだけである。
そのリスクも、取り替え可能な労働に従事しているアルバイト的な働き方を強いられている契約社員には無用な心配であるといえる。
なお、辞める者の代替を募集することに伴う費用は、使用者が通常負担するものであり、辞めた者に請求できる損害には当たらないと解されている(直井)
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