使用者は争いを残さないために、または、ハローワークの助成金を申請しているなどの理由から、辞めてもらいたい従業員に対して、明確な解雇を言い渡さないで、暗に退職を促すことがある。解雇されるとあなたの経歴に傷がつく、自主退職のほうが転職するのに有利だなどと親切ごがしに言ったりする。
退職を勧奨された労働者は辞めることには異議はなくても自主退職を拒否することがある。
自主退職(自己都合退職)は失業給付の請求などで不利益を受ける場合があるというネット情報の広がりのためである。
望んでいない自主退職を断固拒否することは賛成である。
明確に解雇を言い渡されるまで断固出勤しつづけるという選択である。
でも、職場に居づらいことから、出勤せずの状態が続き宙ぶらりんの状態になっている者もある。
他方、会社は、従業員が退職した場合、雇用保険被保険者資格喪失届けともに雇用保険被保険者離職証明書をハローワークに提出する義務がある。その際、ハローワークから退職届けなど「退職理由を確認できる書類」を添付資料として要求される。
従業員の退職届けをハローワークに添付書類として提出できないことから、会社がハローワークでの処理を先延ばしにすることもある。
このように自主退職したのか解雇されたのか曖昧な状態で相談にくる労働者がある。
自主退職する意思がないならば、まず、退職したわけではないこと及び体調不調などの理由で出勤できない状態であることを会社に報告することを勧める。
無断欠勤自体が解雇理由になってしまうからである。
相談者が職場で置かれている曖昧な状態を明確にし、その後に具体的な解決方法の相談に入ることになる。(直井)
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